【特集 シェール革命 石油地図一変】豊富な埋蔵量 技術進み脚光
「世界でも最も有望な産地の一つ。参入を狙っている業者は山ほどいる」（米電力業界関係者） 世界のエネルギー関係者の注目を浴びるシェールオイル鉱区が米テキサス州にある。「イーグルフォード・シェール」。同鉱区で石油やガスを掘り出すプロジェクトは、三井物産も参画するなど日本の大手商社も熱い視線を注ぐ。今後約１０年間で１千本以上の井戸が掘削される予定で、ピーク時の生産量は原油換算で日量約２万バレル。約３０年間の生産期間が見込まれる。 米国でシェールオイルやシェールガスの開発が本格化したのは２００９年。良質な石油や天然ガスを埋蔵するシェール鉱区が豊富に確認されており、イーグルフォードのほか、ニューヨーク州からウェストバージニア州にまたがる「マーセラス・シェール」も世界屈指の鉱区と注目される。 色めき立つのは業界だけではない。オバマ政権は発足当初、太陽光発電や風力発電など再生可能エネルギーの普及と雇用創出を狙う「グリーン・ニューディール政策」を推進してきた。だが、中国との競争に敗れて破綻する助成企業が続出。そこに巻き起こったシェールオイルやシェールガスの開発ブームを受け、大統領は米国産石油・ガスの開発も重視する方向へエネルギー政策の軌道修正を図った。口にするキーフレーズも従来の「脱化石燃料」から、「海外産の原油依存からの脱却」へとシフトした。< 前のページ12次のページ >
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